データアーキテクチャとは? データマネジメントの基礎知識①

なぜ、データアーキテクチャから始めるのか?

DAMAホイール図というものがあるのですが、こちらはDMBOKで紹介するデータマネジメントの知識領域を示したものです。

DAMAホイール図 DMBOK 2nd edition

このホイール図は「アーキテクチャ」から右回りで理解していくのが良いとされており、DMBOKやデータマネジメントを少しでも皆様に知っていただく、かつ、私自身のアウトプットも兼ねてこの「アーキテクチャ」(※以降は「データアーキテクチャ」と呼んでおります)という章からご紹介していきたいと思い書き始めました。
※そもそもデータマネジメントの知識領域やDMBOKって何?という方はこちらも併せてご覧ください。
DMBOKとは?データマネジメントを学ぶ上での必読本をご紹介

データアーキテクチャとは?

データアーキテクチャのご説明を始める前に、そもそも“アーキテクチャ”とは何か?についてご紹介したいと思います。 DMBOKではアーキテクチャについて下記のように記載しています。

アーキテクチャとは「ものを創るための実践と理論であり、ものを創るプロセスの結果、すなわち建造物自体を指す。」

DMBOK 2nd Edition 第4章:データアーキテクチャ

例えば、住宅の設計や都市設計を思い浮かべてみると良いかもしれません。住宅の設計では、建物全体の設計書を描き、どこにどんな部屋を配置するのか?その部屋はどんな大きさでどんな内装にするのか?を設計に携わるすべての人がコミュニケーションできるようにしています。

次に“データアーキテクチャ”についてです。 DMBOKによると、

データアーキテクチャは、データマネジメントの基本であり、組織内にある個人が把握できないほどのデータを様々な抽象化レベルで表現することで、データが理解され、管理者が意思決定できるようにする必要がある。

DMBOK 2nd Edition 第4章:データアーキテクチャ

とあります。
ここで言う様々な抽象化レベルとは、全社レベルでの大枠をとらえたレベルからプロジェクト個別の詳細を表すレベルまでを指します。大枠から詳細までを一貫して表現することで、対象プロジェクトに関わるデータについて誰もが理解できるようになるというものです。

また、データアーキテクチャ業務には以下が含まれています。

・マスターとなる青写真を使用して、データ要件を定義し、データ統合の方向性を示し、データ資産を管理し、データ投資をビジネス戦略と整合させる
・業務やITシステム開発の改善に携わる様々なステークホルダーに対し、彼らと協力し、彼らから学び、彼らを感化する
・データアーキテクチャを利用し、共通の業務用語を適用することによって全社の共通理解を確立する

DMBOK 2nd Edition 第4章:データアーキテクチャ

色々と小難しいことを言っていますが、要するに、社内の誰が見ても理解が出来るような、システムに関する全体像を描く。その絵を使ってビジネス戦略とデータ投資をうまくすり合わせたり、ビジネス側の人間とIT側の人間を巻き込めるようにする。ということが言いたいのかなと考えています。
どのような成果物が作成されるのかといった詳しい内容はまた次回ご説明できればと思っています。

データアーキテクチャが必要な理由

では、なぜデータアーキテクチャが組織に必要なのでしょうか?
現在我々は、非常に大きなデジタル化の波にさらされています。例えばIoT(モノのインターネット化)等先端技術の発展により、これまでの業界を打ち壊すほどのビジネスチャンスが表れ始めています。このチャンスをうまく生かすために、製品やサービス、データを組織が迅速に展開できるよう戦略を立てる必要があります。
上記を実現するためには、ITとビジネスの連携が不可欠です。
どんなビジネス上の目的を達成したいのか?それを達成するうえでITの現状はどうなっているのか?等
IT側とビジネス側の人間がコミュニケーションを取ることがますます必要になっていくことが予想されます。そのコミュニケーションの土台となるのが、データアーキテクチャだと私は考えています。

最後に

少し漠然とした説明が多くなってしまいましたが、データアーキテクチャがなぜ重要なのか?について少しでも理解いただけると幸いです。
ビジネス側とIT側を結ぶ架け橋となる概念がデータアーキテクチャであり、この存在を頭の片隅に置いておいていただいて、DX推進担当になった際思い出していただけると良いなと考えています。
次回は、データアーキテクチャに関してどのような成果物を作成するのか?等についてご説明させていただければと思っています。
それでは!!

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